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2025/08/18

組織の論理

~組織というものは、いったん出来上がると、奉仕すべき対象よりも、
組織それ自体の存続のほうが常に優先するという危険をはらんでいる。~

 組織というものは、いったんこれが生まれると、「組織自体の存続」のみが最重要な命題となってしまうという恐ろしいものなのである。組織を存続させるための最重要条件は、「変化を阻止する」ということである。変化は常に組織のピンチを意昧し、指導者失脚の危険を伴うからである。…
 組織の暴威は、会社の業績を低下させることなど朝飯前、会社をつぶしかねない危険極まりないものなのである。…
 企業体はお客様がなければ、それ自体が存在しない。お客様の要求に応えなければ企業はつぶれてしまう。そして、お客様の要求は常に変わり続ける。変わり続けるお客様の要求に応えるためには、企業体自身もこれに合わせて変わり続けなければならないのである。…
 我々は「変化に対応できる」全く新しい組織理論を持たなければならない。
      (日本経営合理化協会 一倉定の社長学第6巻「内部体勢の確立」より引用)


 一倉節の古いフレーズなんですが、なぜか今の時代にも合っているような気がします。
 インフレ、トランプ関税、続く戦争、過重な賃上げ、金利上昇、そして中小企業における後継者不足、中小企業における経営はますます難しくなってきています。この難局を克服するには、「他とは少し違った経営戦略」と「協力体制をもつ組織力」の双方が中小企業の経営には必要になってきていると思います。その中の協力体制をもつ組織力とは、変わり続ける経営環境の変化をも拒まず、変化し続ける組織であると、思うところです。
 そうは言っても、変わり続ける経営環境の変化とは、世間一般で見聞きする環境変化とは少し違う、お客様個々の要求自体の変化であり、お客様自身の悩みからくるものであると思います。だから、お客様の要求に合わせる組織となるために、変化に対応できる組織となる必要があるのです。組織自体は変化を嫌う集合体であるのに、変化していかなければならない、そのためには従来の組織の常識も見直し・否定していくことができる組織をつくることが必要となると思うのです。
 我が社の常識は非常識であるのではないか、そんな問いを前提とし、お客様の要求に真摯に耳を傾け、我が社の常識までをも否定し変化できる組織が、改めて今求められていくように思います。特に高齢管理者の固い頭を柔らかくして、変化の対応に向かって行動できる組織が企業存続のカギになっていくように思います。
所長による経営随想コラム R0708号

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