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2025/06/02
素直に生きる
逆境-それはその人に与えられた尊い試練であり、この境涯にきたえられてきた人はまことに強靱である。古来、偉大なる人は、逆境にもまれながらも、不屈の精神で生き抜いた経験を数多く持っている。
まことに逆境は尊い。だが、これを尊ぶあまりに、これにとらわれ、逆境でなければ人間が完成しないと思いこむことは、一種の偏見ではなかろうか。
逆境は尊い。しかしまた順境も尊い。要は逆境であれ、順境であれ、その与えられた境涯に素直に生きることである。謙虚の心を忘れぬことである。
素直さを失ったとき、逆境は卑屈を生み、順境は自惚(うぬぼれ)を生む。逆境、順境そのいずれをも問わぬ。それはそのときのその人に与えられた一つの運命である。ただその境涯に素直に生きるがよい。
素直さは人を強く正しく聡明にする。逆境に素直に生き抜いてきた人、順境に素直に伸びてきた人、その道程は異なっても、同じ強さと正しさと聡明さを持つ。
おたがいに、とらわれることなく、甘えることなく、素直にその境涯に生きてゆきたいものである。
松下幸之助の古い本を知り合いから頂いた。時代が急激に変わる中、不安だらけな経営者も少なくないように思えます。こんな時に素直に生きることは、時代に柔軟に対応できる良い生き方のようには思っていましたが、「逆境は卑屈を生み、順境はうぬぼれを生む」という表現は確かに的を射ているように感じます。
どちらであってもどんな環境にあっても、素直さが現在のある姿を肯定へと導き、強さと正しさに導くのであろうと信じたいところです。
今までの商品が売れない、売れても利益が出ない、社員が高齢化で賃金が上昇していく、若い社員が辞めていって補充ができない、さてどうすべきか、何から手を付けていくのかわからない、こんな時に気合いと根性でがむしゃらに発破をかける・・・間違いでしょうね。
今の我が社の、あるいは経営者の経営する目標はいったいなんだったのだろうか、その目標を冷静に見つめ再確認し、その目標に繋がっていくように社員との連携を改めて設計する必要がありそうです。我が社の良いところもその過程で改めて見つけ出せるはず。目標に繋がる役割を社員とさらに共有していき、その中で、逆境だけでない、中小企業だからこその順境と言えるものに出会う可能性も少なくないでしょう。「素直さは人を強く正しく聡明にする」はずと信じて。
謙虚に素直に、これを実行していける会社は、結果的には強いですし社員の自信にも繋がって行くはずです。
抽象的な精神論ではありません。現実論として、経営目標を再確認、社員と共有できる組織に変化させ、目標に沿った役割を社員に持ってもらう、改めての組織の再設計になっていきます。
謙虚に素直に、起きていることを肯定し行動に移す。具体的に行動してみませんか。
まことに逆境は尊い。だが、これを尊ぶあまりに、これにとらわれ、逆境でなければ人間が完成しないと思いこむことは、一種の偏見ではなかろうか。
逆境は尊い。しかしまた順境も尊い。要は逆境であれ、順境であれ、その与えられた境涯に素直に生きることである。謙虚の心を忘れぬことである。
素直さを失ったとき、逆境は卑屈を生み、順境は自惚(うぬぼれ)を生む。逆境、順境そのいずれをも問わぬ。それはそのときのその人に与えられた一つの運命である。ただその境涯に素直に生きるがよい。
素直さは人を強く正しく聡明にする。逆境に素直に生き抜いてきた人、順境に素直に伸びてきた人、その道程は異なっても、同じ強さと正しさと聡明さを持つ。
おたがいに、とらわれることなく、甘えることなく、素直にその境涯に生きてゆきたいものである。
(道をひらく 松下幸之助著 ㈱PHP研究所 より引用)
松下幸之助の古い本を知り合いから頂いた。時代が急激に変わる中、不安だらけな経営者も少なくないように思えます。こんな時に素直に生きることは、時代に柔軟に対応できる良い生き方のようには思っていましたが、「逆境は卑屈を生み、順境はうぬぼれを生む」という表現は確かに的を射ているように感じます。
どちらであってもどんな環境にあっても、素直さが現在のある姿を肯定へと導き、強さと正しさに導くのであろうと信じたいところです。
今までの商品が売れない、売れても利益が出ない、社員が高齢化で賃金が上昇していく、若い社員が辞めていって補充ができない、さてどうすべきか、何から手を付けていくのかわからない、こんな時に気合いと根性でがむしゃらに発破をかける・・・間違いでしょうね。
今の我が社の、あるいは経営者の経営する目標はいったいなんだったのだろうか、その目標を冷静に見つめ再確認し、その目標に繋がっていくように社員との連携を改めて設計する必要がありそうです。我が社の良いところもその過程で改めて見つけ出せるはず。目標に繋がる役割を社員とさらに共有していき、その中で、逆境だけでない、中小企業だからこその順境と言えるものに出会う可能性も少なくないでしょう。「素直さは人を強く正しく聡明にする」はずと信じて。
謙虚に素直に、これを実行していける会社は、結果的には強いですし社員の自信にも繋がって行くはずです。
抽象的な精神論ではありません。現実論として、経営目標を再確認、社員と共有できる組織に変化させ、目標に沿った役割を社員に持ってもらう、改めての組織の再設計になっていきます。
謙虚に素直に、起きていることを肯定し行動に移す。具体的に行動してみませんか。
所長による経営随想コラム R0706号