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2023/08/10

「マーケットアウト」の心得メモ

・マーケットアウトな新規事業は、事業革新が肝であり、事業革新とは既得権益者では取り組みが難しい事業構造自体の変革により、顧客の利益を最大化するまったく新しい価値を生み出すことである。
・プロダクトアウトな新規事業は、技術革新が肝であり、技術革新とは既存の技術の組み合わせ、もしくは新しい技術の開発により、提供する製品にまったく新しい機能や性能を生み出すことである。
・顧客側から自分たちを見ると新しいビジネスが生まれる。
・絞り込んだマーケットに高付加価値をもって参入し、走りながら如何に進化していくのかがマーケットアウトビジネスである。
・顧客視点でビジネスを考えるには、顧客のことを顧客以上に理解しなければならない。
 そうして初めて、意見や不満の裏側にある本質が見えてくる。
・定性調査(顧客1人の意見)で仮説を創出し、定量調査(たくさんの顧客意見)で仮説を検証する。100の分析データをもってしても見えないことが、1つの顧客インタビューで見えることがある。
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 マーケットインとは、顧客の声を聞いて商品をつくって売っていこう、顧客満足を重視しよう、という考え方で、「時代はプロダクトアウトからマーケットインへ」というのが、マーケティングの教科書ではしきりにいわれるようになった。
 しかし、時代は、さらにその先に移っていると私は考えている。モノの充足は粗方満たされ、もはや顧客の第一選択肢は「要らない」となったいま、プロダクトアウトはもちろんのこと、すでにマーケットインも通用しない、ということだ。
 理由は簡単で、所詮マーケットインも生産者(供給者)の都合を起点にしているために、顧客のニーズを聞くといっても、生産(供給)側が先入観をもって聞いたり、自社に都合のいいことしか聞かないからだ。
     (日本経営合理化協会 守屋実著 新規事業を必ず生み出す経営 より引用)

 変転する時代の中で、新規事業にチャレンジする場合、できる限り失敗させない方法として著者が明示しています。その中の一つが、「マーケットアウト」という考え方です。
 先ず、顧客の困りごとやニーズを聞きまくること、その後「こういう解決方法があったら、今の方法からスイッチしますか」と幾度も仮設をぶつけ、その誤差をもとに磨き直して、また顧客にぶつけてみる「市場・顧客と仮説のすりあわせ」の繰り返しが必要なんでしょう。単純なアンケート程度ではありません、しかも求める答えは現場で、です。
 中小企業にとっては、新規事業とまで行かなくも、本業の方向性を修正しなければ生存さえ危うくなることが起きてきます。そんなときにも、現状の延長での判断から一度離れて、改めて、「マーケットアウト」で模索してみることが結局早道であることになります。
 業績で困った時、机上や研修だけで答えを出そうとしていませんか。顧客目線による現場での顧客からの情報がいつの時代でも我が社を活かす大切な情報です。
所長による経営随想コラム R0508号

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