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2023/10/10

設備投資

~設備は現事業の強みではあるが、
いったん情勢が変わったらお荷物になってしまう危険を常にはらんでいる。~

 設備投資のまず第一の不利は、設備資金の金利、減価償却、維持費などの増加と、設備を使う人の人件費などの固定費増加による損益分岐点の上昇である。第二には、設備資金の返済による資金繰りの圧迫である。不況による売上減少時などに、本当に骨身にこたえるという経験をお持ちの方は、相当いる筈である。第三の、そして最も重大な不利は、変化に対応する機動力と弾力性がなくなっていくことである。
 設備は、これが順調に働いてくれてこそ武器である。働かない設備ほど始末の悪いものはない。そしてその危険は常に外部にあるのだ。市場は変化する。お客様の好みは変わってゆく。得意先の方針が変わる場合もある。いつ、わが社の設備でつくられた商品が陳腐化したり、あるいは全く売れなくなるか分かったものではない。
       (日本経営合理化協会 一倉定の社長学第1巻「経営戦略」より引用)

 最近、設備投資に係る資金負担が重いことから、金融機関対策にかなりの負担を強いられたケースに複数出会いました。
 人の採用や補充が難しくなってきた、いわゆる人材不足の現在では、これを補う設備投資やDX投資が企業存続のためにかなり重要な戦術となってきたことは言うまでもありませんし、それを否定するものでもありません。ただ、その投資によって増える借入金について、今までのような低金利で容易に借り増しできた「金融緩和」から「金融引き締め」に向かう時代背景にも注意することが必要となってきました。
 当たり前ですが、冷静に投資採算と返済計画を考えなければなりません。すなわち、
  ①投資に係る採算性(投資収益、投資回収)が十分に想定できる投資であること
  ②借入金の条件(金額、金利、種類及び返済期間)が返済可能な計画であること
 自己資金が潤沢で、自己資金で投資できる場合は別ですが、借入金に依存せざるを得ない場合は、投資実行前に今一度、今必要で有効な投資か、返済できるのか、事前計算をして進めることが必要と考えます。
 時代の変化の中で、著書の提言する部分は十分に熟慮すると共に、採算と返済を考えること、大切な資金を効率よく活用していく、前向きで安心できる会社を作りましょう。
所長による経営随想コラム R0510号

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