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2023/06/07

値切るお客

~値段を値切られるのは、値切られるほうが悪い。~

「お客様あっての会社」これが私の信条である。だから、たとえ、どんなお客様であろうとも、誠心誠意のサービスをするのが当たり前である。
 もしも、お客様が十分な代価を払ってくれなければ、サッサとそのお得意先と縁を切るべきである。
 縁も切らずに、しかもそのお得意先一辺倒で、これの打開策を何もとらずにお得意先を恨むのは間違っている。と言うよりは、社長の怠慢以外の何ものでもないのだ。お客様に少しでも恨み心がでたら、もう、そのお得意先に誠意をつくすことはできないのだ。だから、恨むのではなくて、自らの力で新たなお得意先を開拓しなければならない。
 それもやらずに、お客様を恨むとは何事か、というのが私の考えである。自らの努力を忘れ、お客様を恨むのは誤りである。
 
      (日本経営合理化協会 一倉定著「経営の思いがけないコツ」より引用)


 上記は値下げの話ではありますが、昨今の値上げの話に通じるコラムです。
 最近の業績悪化で厳しい会社の多くは値上げに成功していない会社が多いように感じます。インフレ基調の中で値上げ自体、大きな経営課題であることは誰もが理解できるにもかかわらず、中小企業の値上げの実現には大変苦戦している現実があります。材料費や電気代などのわかりやすい価格転嫁は実現できても人件費にまで手が回っていない状況です。
 コロナ禍環境の終焉に伴い、人手不足が始まり、採用人件費の高騰は始まっています。人材流出も他人事ではありません、生活費の物価上昇分が組み込まれる給与アップは必須なはずです。”うちは平均3%の給与アップを実現しました”と自慢気味に語られても社員は本当に納得できているでしょうか。社員を守るためのお客様への値上げ実現は企業存続の最重要な経営課題なはずです。
 「値上げに応じないお客様とは縁を切る覚悟」を先ず持つこと、これを前提に経営を組み立て直す必要があるでしょう。我が社がお客様から必要とされていれば、交渉の土俵に上がってくれるはずです。お客様にとっていらない会社であれば、今までの経営の怠慢、さっさと退場の決断をすべきです。
 お客様の困ったことに対応することが我が社の居場所をつくれるものと覚悟を決め、お客様の経営管理者と必要値上げの実現交渉を自らもしていくこと、そしてそのための経営効率化も実際に行動すること、経営者が今最も必要な仕事であると思います。
 
所長による経営随想コラム R0506号
 

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