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2023/05/08

哲学なき技術は凶器

 ホンダの哲学は、秘訣というような薄っぺらなノウハウではない。むしろ、その対極にあるものだ。ただし、哲学の教科書に載っているような難解なものではない。日ごろの技術開発や事業活動の中に根付き、常に社員の身近にあるものだ。その哲学が、イノベーションの成功率を確実に高めるのである。
 ここでは、その哲学に基づいて、ホンダはいかにイノベーションの成功を引き寄せているかについて、全体的な見取り図を示したい。著者がホンダ退職後、大学に身を置き、さまざまな企業の方々と議論する中で浮かび上がってきたものだ。それには、まず、おやじの話をしなければならない。おやじとは、ホンダ創業者の本田宗一郎・初代社長のこと。我々は敬意と親しみを込めて、「おやじ」とか「おとっつあん」とか呼んできた。
 おやじはこう話している。「理念・哲学なき行動(技術)は凶器であり、行動(技術)なき理念は無価値である」。・・・そして、その哲学は「三つの喜び」と「人間尊重」の二つに集約される。
 三つの喜びとは、1951年12月におやじが社内報で我が社のモットーとして掲げたもので、「作って喜び、売って喜び、買って喜ぶ」こと。おやじはその中で「私は全力を傾けて、この実現に努力している」と書いている。
・・・一方の人間尊重は、おやじがもう一人の創業者である藤沢武夫・初代副社長と出会った時、二人の想いとして自然に固まったといわれている。二人は一週間、語り明かした。その際、自分たちが人にやられて嫌だったことを社員には絶対に味わわせないことと、高い志でやろうという二つを話したらしい。
          (日経BP社 小林三郎著 ホンダイノベーションの神髄より引用)

 顧問先会長から古い講演DVDを借りました。小林三郎氏の「イノベーションに強い人と組織の作り方」でした。10年程前の講演でしたが、この「イノベーション」行動がまさに変化が激しい今の時代にフィットし必要とされるものなのではと感じ、関連本を探しました。この本には、
 イノベーションを目指すものは、「絶対価値」の実現である、ここでいう価値とは、あくまでもお客様にとっての価値である、故に、研究のための研究や技術者の自己満足のための技術開発には見向きもしない。
 ホンダが考えるイノベーションの根っこ部分を感じ少し驚きました。
 3年のコロナ禍が人の価値を変化させました。さらにインフレ傾向への変化も始まり、世界経済の価値観まで変化が始まりだしました。その中で経営者は何をすべきなのでしょうか。何も変えないことが我が社の選択肢だとしたら、それで果たして大丈夫でしょうか。
 理念や哲学は、今までの経営の中で少なからず暖めていることでしょう。ここからです。それを元にして、ホンダ流「絶対価値」とは何だろうか現場で見つけてみること、「人間尊重」をベースに現場で社員とともに考えてみること、そして行動に移すこと。
 「凶器」となる行動にならないため、「無価値」と社員を冷めさせないため、少しだけ意図して行動してみませんか。何か変わり始めるきっかけが見つかります。
所長による経営随想コラム R0505号

 

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