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2023/12/18

集中の原理

~市場の全ての要求を満たそうとすると、全ての要求を満たせなくなる。
お客様が望むのは、全ての品が揃っていることではなく、
自分の買いたい品が豊富に揃っていることである。~

 企業の持っている資源(人・物・金・時間)は有限である。それにひきかえ、お客様の要求は無限である。だから、どんなマンモス企業であろうとも、お客様の要求を全てみたすことは、初めからできない相談である。
 お客様の全ての要求を満たそうとすると、全ての要求が満たせなくなってしまうのである。
 とすると、有限の資源しか持っていない企業のあり方は自然にきまってくる。
それは、
 お客様の要求の特定の部分に限定しその中でお客様の多様な要求を満たす。ということである。お客様の要求の特定の部分に事業を絞り、これにわが社の資源と努力を集中することである。これが集中の原理である。
        (日本経営合理化協会 一倉定の社長学第1巻「経営戦略」より引用)

 今年も残り少なくなりました。
 コロナ禍の影響も落ち着きを見せてきた中で、インフレ環境、為替問題、人手不足、などなど、経営環境が大幅に変化してきた概略の状況の理解はできても、我が社は今、一体どこを変更すれば良いのか、いつまでに変更が必要なのか、わからないまま、過ごしている毎日に陥っていませんか。
 実際に、変転する環境に我が社をあわせることは簡単なことではなく、「業績も8割ぐらいは戻ってきているし」とか、「赤字もまだそれほどでもないから」とか、将来の我が社の課題を見ないようにしている現状はありませんか。
 いや考えていますよ、①我が社の得意部分・優位な部分とは何だったんだろうか、②顧客からうちが無くなっては困ると言わせられる部分はどこなんだろうか、③そんな部分をさらに強調させることはできないだろうか、④できない理由があるとしたら何だろうか、・・・・でも、忙しくて何も始められない。なんて思っていませんか。
 そもそも集中の原理は、我が社の一部を現状否定し、やめること、最初の行動はここからでしょう。あれもやらなくては、これも計画しなくてはと、仕事を増やすことではうまくいかないでしょう。先ずは、やめることを決めることでしょう。
 人材など経営資源は潤沢ではありません。欲張らず、やめることを決め、集中の原理を心がけ、顧客から無いと困ると言わせる会社を作り上げましょう。
 
所長による経営随想コラム R0512号

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