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2019-2-5

「情」という課題

~知識の教育よりも重要なのは情の教育なのだ~

 東京にある洋食店の話だ。ここの会社は、創業者である父親が一つの看板メニューで会社を伸ばした。そのメニューを食べに日本全国からお客様が列をなして来るほどだ。
あるとき、お店がテナントで入っているビルが売りに出た。そのビルを「買う」「買わない」と親子で大喧嘩をした。・・・
この親子の喧嘩は長く続いたが、父親は息子の反対を押し切ってビルを購入した。元々口数が少ない親子の関係は、この件をきっかけにさらに冷え込んだ。息子は私に会うたびにこの件についての愚痴を言った。
数年後、父親は急死をした。息子は急遽社長に就任した。・・・
そうこうしているうちに事件が起きた。東日本大震災だ。・・・飲食店は昼食こそ人が入るものの夜はさっぱりだった。社長は、「『これで、社員の給料が払えるだろうか』と背筋を冷たいものが走った」と言う。
しかし、実際は社員に変わらず給料は支払われた。
それは、自社ビルのテナント料があったからであった。落ちた売上の全てではないが、毎月入金されるテナント料のお陰で苦しい期間を乗り越えることが出来たのだ。
社長は、父親が何故これだけビル購入に固執したのかこのときに初めて気づいた。「誰よりも社員のことを考えていたのは父親だった。今まで、自分は大学も出ていない父親のことを心のどこかで馬鹿にしていた。しかし、本当に馬鹿だったのは自分だ。自分はまだまだ父親の足元にも及ばない。もっと本当の経営を学ばなければいけない」そう言って、私の前で社長は涙を流した。
父親というのはいつも一言足りないものだ。その足りない一言を付け加えるのは息子の仕事だ。それが親子の「上手な情」というものだ。
(日本経営合理化協会 理事長 牟田太陽 繁栄への着眼点より引用)

 日本経営合理化協会創業者の息子である牟田太陽氏から毎月送られてくる着眼点より敢えて引用しました。私も2代目であるし同業を子供に勧めた親でもあるため、気持ちがわかる内容でした。
筆者も書かれていますが、「情」という課題、子供に対して期待しない親はいない、ましてや自分の会社に子供を入れたら尚更であることが根底にあります。しかし、その親の情を真に理解している子供は少ない感覚です。経験し積み上げられてきた過去からの人生観は世代間を通じて全く異なるものである事がその要因であると思っています。
しかし、時代変化が激しい今だからこそ、先代が執着する経験から来るものを、ある程度、下の世代が理解しなければならない、もったいない、経営者として幅広い視野を養うことのできる「重要な教育」として機能するはずです。
一言足りない先代の違う価値観を謙虚に見つめ学び直してみませんか。

所長による経営随想コラム 3102号

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